近くで春風亭小朝の独演会が有るという事で、行って参りました。寄席のように複数の芸人が出る落語は体験した事があったのですが、独りだけの独演会で2時間と言う長い時間をどの様に演じ、場を保たせ続けるの興味が有ったため、「何事も体験」ということで足を運んだ訳ですある意味、ちゃかしの気持ちもあったのは否定しません昨年末話題になった離婚ネタを笑いとしてとふるのか、それとも、あえて触れないのか、そんな意地悪な感情もあったのは確か。しかし、特に前半、始まってみて枕が終わり、本題の演目が始まった時にあまりにも想定外でした。小朝の意地を感じました三遊亭円朝創作による長編落語「御札はがし」この2月に私のようなちゃかし半分興味半分の笑いを求めてきた客が大半の会場に小朝による「怪談話」です。牡丹灯籠を題材にしたこの怪談を、場の浮いた雰囲気をおさめて語る小朝の「古典」への力の入れように驚いてしまったこの季節に怪談を聞くとは思ていなかった客席がすっと薄ぐらくなったように感じたのは気のせいではないと思います約45分の熱演はあっという間で、独りで演じている舞台を見ているようだった。後半は中入り、創作落語となり、約2時間の独演会は終了独り舞台をつなぐ事のすごさ、また小朝の真剣さに満たされて帰路についた。と、ここまでは落語の面白さにご満悦な一日の日記なのだが、家に帰って小朝が演じた円朝の「御札はがし」をいろいろ調べていたところ、おっと、これは…そういや、そうな…そういや、別れた奥様、大騒ぎしたときこんな事言ってたんだ「自分の夢を小朝さんを円朝にすることです」落語会の神様の名を襲名させる事で、女将としての彼女の地位が断固たるものにしたかったということなんだろうが、会見で名前があがった円朝の演目をあえて演じるとは肝が据わっている小朝の十八番であるらしいのだが、他にもいろいろ有るだろうこの冬の今、騒ぎが治まっているとはいえ、時期が時期だけにこの演目を選んだ小朝の胸の内を勘ぐってしまうこれは、実際に観ている時に感心しまくった私たち客席の高揚感とは裏腹に、小朝のワイドショー的ジョークなのか、それとも本気でトップへのアプローチなのか、汲み取りきれない複雑な思いを、あとあとじんわーり感じさせてくれたちょっと後味残る演目でしたまだまだ落語の入り口に立ったばっかりの私。そんな私に落語の笑い以外の話の醍醐味を味あわせつつ、落語会の裏の世界への興味をもかき立てる、そんな奥の深い一日でした
小朝の夢高座 Op.1「牡丹燈籠 ― 御札はがし」
この商品の他のレビューをみる»
春風亭小朝
ソニーレコード
¥ 2,056
(1998-07-01)








blog comments powered by Disqus